朝日日本歴史人物事典 「渟名城入姫命」の解説 渟名城入姫命 『古事記』『日本書紀』によれば,崇神天皇の皇女。母は尾張(愛知県)の大海媛。崇神朝に疫病が流行し,人民の流離,背反が起こる。これ以前,天皇は皇居内に合祀していた天照大神(アマテラスオオミカミ)と倭の大国魂神の神威を畏れて2神を他所で祭ろうとした。このとき,姫は大国魂神の祭祀を託されたが,髪が抜け体はやせて祭ることができなくなった。大国魂神は,のち倭の直の祖,市磯長尾市により祭られ,また国内諸神を祭ることによって以後疫病はようやく収まったという。アマテラスを託され,その任を果たした異母姉,豊鍬入姫とは対照的である。古代,神祭りを司る巫女は,美しく健康である必要があったことがわかる。 (寺田恵子) 出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報 Sponserd by
デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「渟名城入姫命」の解説 渟名城入姫命 ぬなきのいりびめのみこと 記・紀にみえる崇神(すじん)天皇の皇女。母は尾張大海媛(おわりの-おおあまひめ)。天照大神(あまてらすおおみかみ)と倭大国魂(やまとおおくにたまの)神を合祀(ごうし)したため疫病の流行や国内不安がおこったとされて2神がわけられた際,崇神天皇の命で倭大国魂神をまつろうとしたが,髪はおち,身体はやせてまつることができなかった。「古事記」では沼名木之入日売命。 出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例 Sponserd by