旺文社世界史事典 三訂版 「湖田」の解説
湖田
こでん
江南の低湿地帯を堤防で囲んで干拓した田土を囲田と総称し,その中で川や池を囲んだものを圩田 (うでん) ,湖を囲んだものを湖田という。このような新田開発の技術が,長江下流域の穀倉地帯への発展を支えた。
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…江湖の周辺に強固な堤防を築き,中を囲い込んで水田とした。周囲数十里に及ぶ大規模なものが多く,圩田(うでん)・湖田も構造上は同じである。堤防の上下に水門を設け,灌漑と排水を自由に調節できたので,水害にも日照りにも強く,江南デルタ地帯の米生産の飛躍的増大をもたらし,〈蘇湖(州)熟すれば天下足る〉の諺を生んだ。…
…この地方はほとんど海面と同じ高さのうえ,長江の増水や,南の天目山山系からの流水で,定期的に溢水状態となる。そのため隋・唐時代まではだいたい低湿地をすて,丘陵の中腹などの小高い所を耕地として,陂渠灌漑による水田耕作が行われていたが,宋代からこの地方の人口が急激に増加し,低湿地に隄防をきずいて土地を囲い込み,その中を排水,干拓して耕地化した(圩田,囲田,湖田などと呼ぶ)耕地が多くなった。この囲込みの結果,圩の外の従来の河川は運河(クリーク)と化し,ここから取水し,また排水した。…
※「湖田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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