湯神社(読み)ゆじんじや

日本歴史地名大系 「湯神社」の解説

湯神社
ゆじんじや

[現在地名]松山市道後湯之町

かんむり山にある。大己貴命・少彦名命の二神を祭祀する。創建当時は鷺谷さぎだにの大禅寺の前にあったという。同じ式内社の出雲崗いずものおか神社は奇稲田姫命すなわち素戔嗚命の妃で大己貴命の母を祭神とし、冠山にあった。湯神社が衰微した時、出雲崗神社の本殿に合祀された。ところがいつの間にか本殿が湯神社となり、出雲崗神社は江戸時代初期に境内の一小祠に移されて祀られることになった(大日本史、愛媛面影)

湯神社では古くから初子祭が毎年旧暦一一月の子の日に盛大に行われ、当日は参詣者で雑踏した。起源は大己貴命が鼠に救われたという「古事記」の古伝説から、鼠を十二支の子に結び付けたことに基づいたのであろうか。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android