日本大百科全書(ニッポニカ) 「満船飾」の意味・わかりやすい解説
満船飾
まんせんしょく
full dress
船舶が国の祝祭日や記念日、特別の行事などに祝意を表すために国旗や国際信号旗を掲揚して飾り付けを行うこと。軍艦では満艦飾という。各マスト頂には国旗を掲げ、そのうちメインマスト(主檣(しゅしょう))またはミズンマスト(後檣)には国旗の下に船の所属会社の社旗を掲揚する。また、船首端ポストから順次それぞれのマスト頂を経て船尾端ポストを結ぶフラッグライン(旗綱)を張り、これに国際信号旗を綴(つづ)り合わせて掲げる。フォアマスト(前檣)からミズンマストの間には文字旗を、船首とフォアマスト、船尾とミズンマストの間には旗旒(きりゅう)(数字旗)と文字旗を交互に綴って掲げるのが通例となっている。
満船飾は特殊な場合に行われることが多く、他の場合はフラッグラインに綴って掲げる旗旒を略し、マストだけに国旗と社旗を掲揚する船飾が用いられる。
[岩井 聰]