マスト(読み)ますと(英語表記)mast

翻訳|mast

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マスト」の意味・わかりやすい解説

マスト
ますと
mast

船舶甲板上に立てた柱または門状などの構造物。レーダー、無線機器用アンテナ、風速計航海灯信号旗などを設置する。全長50メートル以上の船では、海上衝突予防法によって前部マストと後部マストを設けることになっている。これは、両方のマストに掲げた灯火によって、夜間他の船が船の長さを判断できるからである。レーダーマストは航海甲板かコンパス甲板に別個に設けることもある。一般貨物船ではデリックポストとして使用するので、左右両舷(げん)に1本ずつのポストを立て、上部を連結した門状のマストが多い。

 マストはもともとは帆船で帆を張るために船体に立てた柱である。帆船は多くは4本までのマストをもち、マストの数と帆の張り方によって船型を分類した。大型船では甲板上の高さが50メートルにもなるマストがあった。現在の船でもマストは船の甲板の上で人目をひく背の高い構造物なので、煙突と同様に船体の美観のキーポイントの一つとして設計上重視されている。

[森田知治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マスト」の意味・わかりやすい解説

マスト
mast

帆柱ともいう。船体の中心線上に垂直に立てた柱。元来は帆を張るためのものであったが,汽船になってからは無線アンテナ,信号灯に利用されたり,荷役用や旗の掲揚用にも利用されている。帆船のマストの数は船の大きさによって一般に1~4本であった。

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