朝日日本歴史人物事典 「源計子」の解説
源計子
平安中期の村上天皇の更衣。宇多天皇の孫源庶明の娘。広幡御息所と称される。理子内親王,盛子内親王を生んだ。『村上御集』や『麗花集』に村上天皇とかわした歌が残る。『栄花物語』に,村上天皇が「あはせたきものすこし」という詞を詠み込んだ歌を女御や御息所たちに送ったところ,ただ計子のみが読み解いたという話を伝えるなど才名が高い。天暦5(951)年に撰和歌所において『万葉集』に訓点が施されたが,これは計子の発意によるものという。また天徳4(960)年内裏歌合が催されたとき,女房方人を務めた「宰相更衣」について,計子のこととする説がある。
(谷口美樹)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報