精選版 日本国語大辞典 「滲漏」の意味・読み・例文・類語
しん‐ろう【滲漏】
- 〘 名詞 〙
- ① 侵食すること。〔宋史‐蔡洸伝〕
- ② しみて漏ってくること。しみて入り込んでくること。
- [初出の実例]「舶中の人命危き朝露の如く、其躁乱知るべし。半夜舶底に滲漏して入る水を験する者あり」(出典:漂荒紀事(1848‐50頃)一)
- [その他の文献]〔耶律楚材‐用万松老人韻寄鄭景賢詩〕
- ③ とりのこすこと。手ぬかり。遺漏。
- [初出の実例]「而以二大学一而視二中庸一、則又似二滲漏遺闕、不一レ成レ教矣」(出典:古学先生文集(17C後頃)五)
- [その他の文献]〔清会典事例‐兵部・軍器・外海内河長江巡哨各船〕
- ④ ( 「じんろう」とよむ ) 仏語。ある程度のさとりを得た人の心に、なお、残っている執着やこだわりなどの煩悩の余り。水がしみこんだり、漏ったりすることにたとえた語。禅で特に用いる。
- [初出の実例]「善知識とは、行解相応して滲漏なし。滲漏とは習気の煩悩なり」(出典:塩山和泥合水集(1386))