宋史(読み)ソウシ(その他表記)Sòng shǐ

デジタル大辞泉 「宋史」の意味・読み・例文・類語

そうし【宋史】

中国二十四史の一。歴史を記したもの。脱脱らが勅命によって撰。1345年完成。本紀47巻・志162巻・表32巻・列伝255巻の全496巻。

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精選版 日本国語大辞典 「宋史」の意味・読み・例文・類語

そうし【宋史】

  1. 中国の歴史書正史一つ。四九六巻。元代、脱脱(とくと)らが勅命によって編纂。一三四五年完成。宋代(九六〇‐一二七九)の歴史を記録した紀伝体の書。

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改訂新版 世界大百科事典 「宋史」の意味・わかりやすい解説

宋史 (そうし)
Sòng shǐ

中国,宋の史書で,正史の一つ。496巻。元のトクト(脱脱)ら奉勅撰。1343年(至正3)に始めて,45年に成る。〈二十四史〉中もっとも巻数が多いのに,短時日で完成できたのは,宋代に編纂された諸朝国史実録等を利用できたからである。後世では,正史の中でもっとも蕪雑な史書として評判は悪い。しかし反面編纂者主観にもとづく改変が少ないという利点があり,とくに〈志〉部分は史料価値が高い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宋史」の意味・わかりやすい解説

宋史
そうし

中国、宋を扱った紀伝体の歴史書。正史の一つ。16本紀47巻、15志162巻、二表32巻、197列伝255巻からなる。脱脱(ツクタ)らによる奉勅撰(ほうちょくせん)。南宋の滅亡後に元が収集した宋の国史、実録、日暦などをもとに他の資料を加えて1345年に完成した。基礎になった史料のなかには、散逸したもの、資料として不十分なもの、欠けていたのを他の資料で補ったものなどがあり、しかもこれらを削除したりして、十分なできとはいいがたい面がある。したがって、たとえば『宋会要』『続資治通鑑(ぞくしじつがん)長編』『建炎以来繋年(けいねん)要録』などに比べると劣る面があるが、これらにないものも含んだ宋代の集約的な史料として価値は高い。とりわけ基本的史料を欠く南宋部分にこの傾向が強い。版本は元の至正刊本をもとにする百衲本(ひゃくのうぼん)が優れている。

[伊原 弘]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宋史」の意味・わかりやすい解説

宋史
そうし
Song-shi; Sung-shih

中国,宋代を扱った歴史書。中国の正史の一つ。元のトクトア (脱脱)らの編修。 496巻。至正5 (1345) 年完成。本紀 47巻,志 162巻,表 32巻,列伝 255巻より成る。本書は南宋の滅亡後,各時期に編纂された宋朝歴代皇帝の国史,実録などを基礎とし,その他の資料をも取入れて編修されたもの。宋代の国史が多く散逸して残っていない今日では,『宋史』のもつ史料的価値は大きい。

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