化学辞典 第2版 「漆原ニッケル触媒」の解説
漆原ニッケル触媒
ウルシバラニッケルショクバイ
Urushibara nickel catalyst
ニッケル塩水溶液中のニッケルイオンを金属亜鉛またはアルミニウムで還元し,生じる沈殿ニッケルを酸またはアルカリで処理して得られる活性なニッケル触媒.発見者の名前をつけてよばれている.最初の沈殿ニッケルは,亜鉛の金属,水酸化物,塩などを含む複雑な混合物で,これを酸またはアルカリで処理することで夾(きょう)雑物を除き,一部の亜鉛も溶かし出す.得られるニッケル触媒は亜鉛との合金に近いものとされている.アルミニウムで還元したもののほうが純ニッケル触媒に近く,活性が高い.製造原料のニッケル塩としては塩化物,酢酸塩がよく,硫酸塩,硝酸塩は不適当である.水素化触媒として広く用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報