an=an-1+an-2のように,数列または関数列a1,a2,a3,……,an,an+1,……において,ak(k≦n-1)のいくつかを使ってanを導く規則を与える式を漸化式という。漸化式はr変数の有理関数F(x1,……,xr)と最初のr個の項a1,……,arとを使って,an+1=F(an,an-1,……,an-r+1)(n=r,r+1,r+2,……)と表される場合が多い。例えば漸化式an=an-1+bは初項a1,公差がbの等差数列を与え,漸化式an=ran-1は初項a1,公比がrの等比数列を与える。応用上はF(x1,……,xr)は一次式であることが多い。特別な場合として漸化式an+2=pan+1+qanを考えると,この漸化式は行列を使って,と書き表せる。したがって,である。二次方程式x2-px-q=0の2根をα,βとおくと,根と係数の関係を使って,α≠βのときは,
であることがわかり,
である。したがって,
an+2=(αn+αn⁻1β+αn⁻2β2+……+βn)
a2-q(αn⁻1+αn⁻2β+……+βn⁻2)a1
であることがわかる。この最後の結果はα=βのときも成立する。関数列の漸化式は不定積分の計算で出てくることが多い。例えば,はI1=tan⁻1xであり,In(n≧2)は漸化式,で定まる。
執筆者:上野 健爾
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…領域Dで定義された関数f(x)とDの境界点aに対して,となる関数g(x)が存在するとき,g(x)をxがaに近づくときのf(x)の漸近式という。これをf(x)~g(x)と表すことにする。x→+∞のときのガンマ関数,の漸近式を与えるスターリングの公式,はこの例である。漸近式は数列に関しても使われることがある。数列{an}に対して,となる数列{bn}が存在するとき,{an}と{bn}は漸近的に等しいという。…
※「漸化式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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