数列(読み)すうれつ

精選版 日本国語大辞典 「数列」の意味・読み・例文・類語

すう‐れつ【数列】

〘名〙
① 数の列。自然数1、2、3…に一つずつ数を対応させることによって得られる。終わりがあるかどうかにより有限数列または無限数列という。〔生物学語彙(1884)〕
② 三~四列、五~六列ぐらいの列の数を、ばくぜんという語。
※植物小学(1881)「蓮〈略〉辨萼各々数列あり」

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デジタル大辞泉 「数列」の意味・読み・例文・類語

すう‐れつ【数列】

2、3か5、6ぐらいの列。いくつかの列。
ある一定規則に従って順に並べられた数の列。おのおのの数を項という。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「数列」の意味・わかりやすい解説

数列
すうれつ

自然数1, 2, 3, 4,……のおのおのに対応して並べられた数の列a1, a2, a3, a4,……を数列という。そのおのおのの数を数列の項といい、初めから順に、初項、第2項、第3項、……という。数列の第n項をおのおのの項の代表と考えるとき、これを一般項という。一般項は、nの式として与えられることが多い。数列には、項が有限個で終わる有限数列と、どこまでも続く無限数列とがある。有限数列の最後の項を末項という。数列の例としては等差数列、等比数列などがよく扱われる。しかし、そのほかにも、いろいろな数列がある。

 数列a1, a2,……が与えられたとき初項から第n項までの和がよく問題になる。これを記号

で表す。数列a1, a2,……を定めるのに、各anをそれより以前の項a1, a2,……, an-1の式として定めることがある。

  anf(a1, a2,……, an-1)
このとき、この式を漸化式という。等差数列の漸化式は
  anan-1d (d交差
等比数列の漸化式は
  anan-1r (r公比
次の漸化式で表されるのがフィボナッチ数列である。

  a1=1, a2=1, anan-1an-2
  (n≧3)
 数列a1, a2,……に対して、
  an(1)an+1an
  (n=1, 2,……)
によって定められる数列a1(1), a2(1),……を第一階差数列
  an(2)an+1(1)an(1)
  (n=1, 2,……)
によって定められる数列a1(2), a2(2),……を第二階差数列といい、同様に第三階差数列、……という。数列の成り立ちを知るのに階差数列をつくって調べると役にたつことがある。

 無限数列が、先のほうにいくとどうなるかを論ずるのが数列の極限議論である。無限数列を初項から順に加えていくとどうなるかを調べることがある。数列a1, a2,……を形式的にプラス記号で結んだa1a2+……を級数という。

[竹之内脩]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「数列」の意味・わかりやすい解説

数列
すうれつ
sequence; progression

自然数の集合の元 n ( n=1,2,3,… ) に,おのおの1つの実数 an を対応させて並べた数の列

a1a2a3,…,ap,…

を数列 (実数列ともいう) といい,これを記号で {an} あるいは {an} ( n=1,2,3,…,p,… ) と書く。 nan を対応させるという意味では,自然数から実数への関数とも考えられる。たとえば,自然数 1,2,3,…,p,… ,偶数 2,4,6,…,2p,… ,奇数 1,3,5,…,2p-1,… は,すべて数列である。数列において,第1番目,第2番目,…,第 p 番目の項を,それぞれ第1項 (初項) ,第2項,…,第 p 項などという。自然数に0を加える流儀もあり,それに伴って,a0a1a2 ,… とすることもある。また,両側に広げて,整数からの関数  … ,a-2a-1a0a1a2 ,…  を考えることもある。 (→極限値 , 収束 )  

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世界大百科事典 第2版 「数列」の意味・わかりやすい解説

すうれつ【数列 sequence】

ある定まった規則に従って順次並べられた数の列を数列といい,数列の各数をその数列の項という。第n番目の項がanである数列を{a1,a2,……,an,……},または{an}で表す。項の番号nに対応してanを定める規則が与えられれば,一つの数列が定義される。例えばa,d,r定数とするとき,で定義される数列は,それぞれ等差数列,等比数列,調和数列と呼ばれる。また,a1a2が与えられ,an=1/2(an-1an-2)(n≧3)という規則が与えられれば,すべてのanが順次定まるから,一つの数列が定義される。

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百科事典マイペディア 「数列」の意味・わかりやすい解説

数列【すうれつ】

定まった規則に従い順序づけて並べられた数の系列。一つずつの数を数列の項といいn番目の項をa(/n)と書けば数列自身は{a(/n)}(n=1,2,…)または単に{a(/n)}と書かれる。項の数が有(無)限なら有(無)限数列という。等差数列a(/n)=a+(n−1)d(dは公差),等比数列a(/n)=ar(n/)(-/)1(rは公比)等。→収束級数
→関連項目発散(数学)

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世界大百科事典内の数列の言及

【級数】より

…ある規則に従って順次に並べられた数または関数の列を,それぞれ数列または関数列といい,それらの列を順次に加法記号で結合した式を級数という。例えば{1,3,5,7,……},{1,2,4,8,……}は数列であり,これらに対応する級数は,それぞれ1+3+5+7+……,1+2+4+8+……である。…

※「数列」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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