家庭医学館 「びまん性表層角膜炎」の解説
びまんせいひょうそうかくまくえん【びまん性表層角膜炎 Superficial Punctate Keratitis】
黒目(くろめ)の表面の角膜は、目を守るため非常に知覚が敏感です。この角膜の表面の上皮(じょうひ)と呼ばれる部分に浅い傷ができた状態を、びまん性表層角膜炎といいます。
[症状]
傷自体はすり傷のようなものですが、知覚が発達しているので非常に痛く、涙があふれてきます。充血をともない、異物感のためにしばしば目があけられなくなります。
[原因]
原因を大別すると、①からだの外からくるもの(異物やまつげなどの機械的刺激、コンタクトレンズ、紫外線など)、②目の病気からくるもの(涙液減少症(るいえきげんしょうしょう)やマイボーム腺炎(せんえん)、アレルギー性結膜炎(せいけつまくえん)など)、③からだの病気からくるもの(糖尿病や三叉神経(さんさしんけい)まひ、シェーグレン症候群(しょうこうぐん)など)の3つになります。
[治療]
原因となる疾患などを取り除きます。したがって、原因により治療薬が異なります。
原因療法のほか、角膜保護剤や感染予防のための抗生物質の点眼が行なわれます。原因さえ十分に取り除くことができれば、数日で治癒(ちゆ)するのがふつうです。