びまん性表層角膜炎(読み)びまんせいひょうそうかくまくえん

家庭医学館 「びまん性表層角膜炎」の解説

びまんせいひょうそうかくまくえん【びまん性表層角膜炎 Superficial Punctate Keratitis】

[どんな病気か]
 黒目(くろめ)の表面の角膜は、目を守るため非常に知覚が敏感です。この角膜の表面の上皮(じょうひ)と呼ばれる部分に浅い傷ができた状態を、びまん性表層角膜炎といいます。
[症状]
 傷自体はすり傷のようなものですが、知覚が発達しているので非常に痛く、涙があふれてきます。充血をともない、異物感のためにしばしば目があけられなくなります。
[原因]
 原因を大別すると、①からだの外からくるもの(異物やまつげなどの機械的刺激、コンタクトレンズ紫外線など)、②目の病気からくるもの(涙液減少症(るいえきげんしょうしょう)やマイボーム腺炎(せんえん)、アレルギー性結膜炎(せいけつまくえん)など)、③からだの病気からくるもの(糖尿病や三叉神経(さんさしんけい)まひ、シェーグレン症候群(しょうこうぐん)など)の3つになります。
[治療]
 原因となる疾患などを取り除きます。したがって、原因により治療薬が異なります。
 原因療法のほか、角膜保護剤や感染予防のための抗生物質の点眼が行なわれます。原因さえ十分に取り除くことができれば、数日で治癒(ちゆ)するのがふつうです。

出典 小学館家庭医学館について 情報

世界大百科事典(旧版)内のびまん性表層角膜炎の言及

【雪眼炎】より

…スキーや積雪期登山などに際し大量の紫外線にさらされたとき,通常6~10時間の潜伏期をおいて急激に羞明(しゆうめい)(まぶしがること),流涙,異物感,眼痛等をおこすものをいい,〈雪盲〉,また俗に〈雪目〉ともいう。雪面から反射した紫外線が結膜や角膜を侵すためで,上記の自覚症状のほか,球結膜の浮腫,充血が強く,また瀰漫(びまん)性表層角膜炎diffuse superficial keratitisが認められる。治療法は,紫外線をさけ,眼を安静にしていれば,数日以内に自然に治る。…

※「びまん性表層角膜炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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