シェーグレン症候群(読み)しぇーぐれんしょうこうぐん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シェーグレン症候群」の意味・わかりやすい解説

シェーグレン症候群
しぇーぐれんしょうこうぐん

涙腺(るいせん)と唾液(だえき)腺の分泌低下(乾性角結膜炎口腔(こうくう)乾燥症)を特徴とする外分泌腺の慢性炎症性疾患で、しばしば関節リウマチあるいはその他の膠原(こうげん)病を合併するものをいう。1933年スウェーデン眼科医シェーグレンSjögrenによって初めて記載された比較的まれな疾患で76年(昭和51)厚生省(現厚生労働省)の特定疾患(いわゆる難病)に加えられた。患者は圧倒的に女性が多く、発症時年齢は45~48歳がもっとも多い。乾燥症状は、目では異物感・眼精疲労・眼痛など、口については口内乾燥感・摂食時飲水量増加・虫歯増加などがみられ、耳下腺腫脹(しゅちょう)などもある。治療としては保存的対症療法が行われ、乾燥に対しては人工分泌液、合併した膠原病にはそれぞれの単独疾患の場合と同様に治療し、副腎(ふくじん)皮質ステロイド剤や免疫抑制剤などを必要に応じて用いる。日本に多い乾燥症候群だけの場合の予後はよいが、合併症のある場合はその内容により異なる。

[高橋昭三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シェーグレン症候群」の意味・わかりやすい解説

シェーグレン症候群
シェーグレンしょうこうぐん
Sjögren's syndrome

全身の粘膜乾燥を特徴とする症候群で,1933年にスウェーデンの眼科医 H.シェーグレンが初めて報告した。眼球乾燥症唾液腺萎縮による口内乾燥,虫歯,慢性関節リウマチ脾腫,肝腫,レイノー現象,紅斑,脱毛などが起り,血漿中のγ-グロブリンが増加する。しばしば膠原病や自己免疫疾患を合併し,また,細網内皮系の悪性腫瘍に合併することもある。 20~40歳代の女性に多発する。根本的な治療法はなく,対症的に人工涙液,人工唾液,パロチンなどが用いられる。

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