火焔太鼓(読み)かえんだいこ

精選版 日本国語大辞典 「火焔太鼓」の意味・読み・例文・類語

かえん‐だいこクヮエン‥【火焔太鼓】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 吊枠の周囲に火焔の形の装飾のある雅楽用の大太鼓(だだいこ)上方の日月の飾りを入れると高さ数メートルに及ぶ。
    1. [初出の実例]「胆ふとげなる若者〈略〉、見事に彩たる火焔太鼓(クヮエンダイコ)を敲居たり」(出典読本・本朝酔菩提全伝(1809)一)
  2. [ 2 ] 落語。一分(いちぶ)で仕入れた古太鼓が三〇〇両で売れたのに味をしめた古道具屋が、音のするものばかりをねらう滑稽を描写する。地口(じぐち)おちで結ぶ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の火焔太鼓の言及

【雅楽】より

…〈打ちもの〉には鼓類,鉦鼓類,太鼓類の3種があり,鼓類に羯鼓(かつこ)(唐楽の新楽で用いる),壱鼓(唐楽の古楽などで用いる),三ノ鼓(高麗楽),鉦鼓類に釣鉦鼓(管絃),大鉦鼓(舞楽),太鼓類に楽太鼓(がくだいこ)(管絃),大太鼓(だだいこ)(舞楽)の別がある。大太鼓はまた特に壮麗な火焰飾をもつことから,火焰太鼓ともよばれる。このほか,歩きながら演奏する道楽(みちがく)や竜頭鷁首(りようとうげきしゆ)の舟上で演奏する舟楽(ふながく)といった特殊な演奏形式のために工夫されたものもある。…

※「火焔太鼓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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