最新 地学事典 「炭素同位体」の解説
たんそどういたい
炭素同位体
carbon isotope
炭素原子には安定同位体の12Cと13C, 放射性同位体の14Cがある。有機物質や無機物質の13C/12Cは約0.01で,自然界では10%程度変化する。物質(X)の炭素安定同位体比(δ13C)は標準試料(S)との偏差を1,000分の1(‰)の単位で表す。δ13C(‰)={(13C/12C)X/(13C/12C)S-1}×1,000。標準試料はPDB(PeeDee層のbelemnite化石)。NBS21(グラファイト)・NBS22(石油)も使われる。NBS21とNBS22はそれぞれPDBよりも29.19‰,29.8‰軽い。ケロジェン・石油・石炭などのδ13CPDBはおよそ-35~-20‰の範囲にあり,起原有機物の質・熟成度に応じて変化する。微生物起原メタンは-55‰以下。放射性炭素同位体の半減期は5,730年であり,植物や土壌,花粉,水などの年代測定に用いられている。1970年代末に開発された加速器質量分析法(AMS法)により,6万年ほど前までの年代測定が可能となった。なお,放射性炭素年代は,大気圏内で行われた核実験による影響が少ないとされる1950年を起点として,それよりも何年前であるか(例:BP 1,000)で年代が表記される。
執筆者:平井 明夫・藪崎 志穂
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

