為さんす(読み)ナサンス

デジタル大辞泉 「為さんす」の意味・読み・例文・類語

なさん・す【為さんす】

[動サ特活]《「なさります」の音変化》「なさる」の丁寧語。多く補助動詞として用いる。…なさいます。…なされます。
「清幸さんお上がり―・し」〈洒・穴知鳥〉
[補説]命令形に「なさんせ(い)」「なさんし」の形を用いる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「為さんす」の意味・読み・例文・類語

なさん・す【為】

  1. 〘 他動詞 サ行特活 〙 「なさります」の変化してできた語。
    1. [初出の実例]「親達を、なだめて帰ればさらりとすむ。わし次第にしてなさんせ」(出典:浄瑠璃・薩摩歌(1711頃)夢分舟)
    2. 「そんなら下へ行んすから風をひかねへやうにしなさんし」(出典:洒落本・品川楊枝(1799))

為さんすの語誌

近世、上方江戸ともに用いて、補助動詞の用法が多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android