為替清算制度(読み)かわせせいさんせいど(その他表記)exchange clearing system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「為替清算制度」の意味・わかりやすい解説

為替清算制度
かわせせいさんせいど
exchange clearing system

国際協定によって,国際貿易に伴う債権,債務の相殺清算を行う制度。協定当事国は各中央銀行に自国通貨による相手国名義の清算勘定を設け,貿易業者は為替銀行や為替を媒介とせずに,自国清算機関との間で自国通貨による受払いを行う。こうして帳簿上の振替操作によって相殺清算が行われることになり,清算尻は輸出入の追加によって相殺される。為替決済機能の障害を除去し,為替管理,貿易統制の強化による貿易縮小傾向を回避する方法として,たとえば 1931年 11月のスイス,ハンガリー間の協定をはじめ,ヨーロッパ諸国および南アフリカ諸国で盛んに行われるようになった。しかし収支不均衡による帳尻決済の困難性,手続,代金回収の複雑さによって,結果的には貿易取引の縮小,出超国輸出業の支払いの渋滞などが生じ,第2次世界大戦中には多角的為替清算制度も試みられたが,戦後はほとんど行われなくなった。

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