烏兎(読み)うと

精選版 日本国語大辞典 「烏兎」の意味・読み・例文・類語

う‐と【烏兎】

〘名〙
※車屋本謡曲・放下僧(1464頃)「それ弓と申すは、もとすゑに烏兎のかたちをあらはし、ぢゃうゑ不二の秘法を表す」
② (古く中国で「金烏(きんう)」「玉兎(ぎょくと)」と称し、太陽の中に烏、月の中に兎の象(かたち)があるとしたところから) 太陽と月。日月(じつげつ)。〔黒本本節用集(室町)〕〔左思‐呉都賦〕
歳月。つきひ。
※性霊集‐六(835頃)天長皇帝為故中務卿親王講法花経願文「脂化城而烏兎喘。遠而不遠即我心」
④ 柔道競技の急所の一つ。眉間(みけん)と俗称する両眼の中間点。

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デジタル大辞泉 「烏兎」の意味・読み・例文・類語

う‐と【××兎】

《「金烏玉兎きんうぎょくと」の略。太陽の中にからす、月の中にうさぎがいるという中国の伝説から》
太陽と月。日月じつげつ
年月。歳月。「烏兎匆匆そうそう

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世界大百科事典(旧版)内の烏兎の言及

【当身技】より

…投げ技,固め技,当身技の3部門から成り立つ柔道の技術の一つ。当(あて),当身,当技(あてわざ)ともいう。人体の急所とされる天倒(てんとう)(頭頂部),烏兎(うと)(みけん),霞(かすみ)(こめかみ),人中(じんちゆう)(鼻下),水月(すいげつ)(みぞおち),明星(みようじよう)(下腹部),電光(でんこう)(右ひばら),月影(げつえい)(左ひばら),釣鐘(つりがね)(睾丸),ひざ関節などを,こぶし,指先,ひじなどで突いたり,こぶし,手刀などで打ったり,ひざ,蹠頭(せきとう),かかとなどでけったりして相手に苦痛をあたえ参らせる技である。…

※「烏兎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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