無因行為(読み)ムインコウイ

デジタル大辞泉 「無因行為」の意味・読み・例文・類語

むいん‐こうい〔‐カウヰ〕【無因行為】

財産上の出捐しゅつえん行為において、原因契約など)が法律上無効であっても、それ自体は有効とされる行為。例えば手形行為で、売買代金として手形を交付したときは、たとえ売買が無効とされた場合でも、手形そのものの有効性には影響しない。⇔有因行為

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「無因行為」の意味・読み・例文・類語

むいん‐こうい‥カウヰ【無因行為】

  1. 〘 名詞 〙 原因となる法律関係が欠けても、これに影響されず法律上の効力を生ずるものとされる行為。たとえば、手形行為などで、売買代金の支払のために手形を交付したときは、たとい売買が無効とされ代金債務が存在しない場合でも、手形そのものの効力には影響しない。不要因行為。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「無因行為」の意味・わかりやすい解説

無因行為
むいんこうい

有因行為」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の無因行為の言及

【法律行為】より

…発生する効果の種類によって,例えば贈与,売買,賃貸借契約のように一定の給付を請求できる債権を発生させるのが債権行為,所有権移転・抵当権設定のように物権の変動を生じさせるのが物権行為,債権譲渡・債務免除・無体財産権譲渡などのように物権以外の権利の処分の効果を生じさせるのが準物権行為で,後2者を処分行為ともいう。財産の出捐(しゆつえん)を目的とする行為がその原因と不可分であるかどうかにより,原因関係に影響されるものが有因行為で,手形行為のように影響されないのが無因行為である。財産の給付に対価を伴うかどうかで,売買・賃貸借のように対価を伴うのが有償行為で,贈与・使用貸借のように対価を伴わないのが無償行為である。…

※「無因行為」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android