精選版 日本国語大辞典「自体」の解説
じ‐たい【自体】
[1] 〘名〙
① 自分のからだ。
② 本来の性質、特性。もともとの本体。それ自身。根本。
※米沢本沙石集(1283)一「一切衆生は皆如来蔵なり、普賢菩薩の自体(ジタイ)に遍する故にと説て」
※仮名草子・浮世物語(1665頃)一「自体(ジタイ)は親に似て大憶病の者なりければ」
※死霊‐一章(1946‐48)〈埴谷雄高〉「物資自体が持っているような」 〔演義鈔‐六一〕
③ (「…こと自体」「それ自体」などの形で) そのことを強める場合に用いる。…であることがそもそも。
※地唄(1956)〈有吉佐和子〉「一人娘が夫を持つということ自体を、許せなかったのだ」
[2] 〘副〙
① =じたい(地体)(二)
※評判記・難波の㒵は伊勢の白粉(1683頃)二「自躰(ジタイ)酔ねば根ぬけの恋に気がならぬ」
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉猟官「我輩は元来(ジタイ)束縛されるのが嫌いだからネ」
② 自ら。自分で。
※春日社記録‐文永二年(1265)五月一一日「氏人祐郡智足院に参して本鳥を自体切了〈略〉今三段か所を四か年未進を自体持参也」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報