煎餠(読み)せんべい

精選版 日本国語大辞典 「煎餠」の意味・読み・例文・類語

せん‐べい【煎餠】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 菓子の一つ。古くは唐菓子として伝わった、水でこねた小麦粉を油で炒(い)ったものをいうが、現在では干菓子の中の焼種のものをいう。米粉を主材料として醤油で調味した塩煎餠系のものと、小麦粉、砂糖、卵などを混ぜて型に流して焼いた瓦煎餠系のものに大別できる。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「煎餠を造て此を愛して食とす」(出典:今昔物語集(1120頃か)三)
    2. [その他の文献]〔荊楚歳時記〕
  3. せんべいぶとん(煎餠蒲団)」の略。
    1. [初出の実例]「煎餠を引はり合た出合宿」(出典:雑俳・芥子かのこ(1716‐36))

煎餠の補助注記

挙例の「和名抄」では「煎餠」に「世間云如字」とあって和訓が記されていないので、当時音読みしていたと思われる。


せん‐べ【煎餠】

  1. 〘 名詞 〙せんべい(煎餠)」の変化した語。〔かた言(1650)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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