煙の種(読み)けぶりのたね

精選版 日本国語大辞典 「煙の種」の意味・読み・例文・類語

けぶり【煙】 の 種(たね)

  1. ( 「新古今‐哀傷」の「思ひ出づる折り焚く柴の夕煙りむせぶも嬉し忘れがたみに」の歌から ) むせび泣くたね。また、もの思いのたね。
    1. [初出の実例]「たばこ切りの女といへり聞くに胸いたく煙(ケフリ)の種(タネ)ぞかし」(出典浮世草子・好色五人女(1686)三)
  2. たき付け。燃料。転じて生計を立てる手段。生活のための手だて。煙の代(しろ)
    1. [初出の実例]「落葉は煙(ケフリ)の種(タネ)と成、釣釜に素湯(さゆ)(たぎら)して、咽(のんど)のかはきをやめて」(出典:浮世草子・武家義理物語(1688)六)
  3. 死んで火葬の煙となるもの。
    1. [初出の実例]「人はみな煙(ケフリ)の種(タネ)」(出典:浮世草子・本朝二十不孝(1686)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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