熨斗鮑(読み)ノシアワビ

デジタル大辞泉 「熨斗鮑」の意味・読み・例文・類語

のし‐あわび〔‐あはび〕【熨×鮑】

アワビの肉を薄くはぎ、長く伸ばして干したもの。古くは儀式用のさかなに用い、のち祝儀の贈り物に添える風習になった。のし。→熨斗

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精選版 日本国語大辞典 「熨斗鮑」の意味・読み・例文・類語

のし‐あわび‥あはび【熨斗鮑】

  1. 熨斗鮑〈絵本江戸紫〉
    熨斗鮑〈絵本江戸紫〉
  2. 〘 名詞 〙 鮑の肉を薄くはぎ、引きのばして乾かしたもの。古くは食料に用い、後には儀式の肴(さかな)とし、また、進物などに添えて贈った。のし。《 季語新年
    1. [初出の実例]「何者ぞと見れば、熨斗(ノシ)鮑六十六本あり」(出典:九条家本平治(1220頃か)下)

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世界大百科事典(旧版)内の熨斗鮑の言及

【アワビ(鮑)】より

…生食はあまり行われなかったが,《延喜式》によると,秋~春の季節には生鮮品が志摩の御厨(みくりや)から貢進されている。乾燥品の代表ともいうべきものが,伸鰒,長鰒などと書く〈熨斗(のし)鮑〉で,かんぴょうをつくるように外縁部から長くむいて乾燥したものである。古くから酒のさかななどとして多用されたが,いまでは祝儀用の飾物になってしまった。…

【熨斗】より

…のし鮑(あわび)の略。元来は保存食料の一つであったが,のちには祝儀やめでたいおりの贈物に添えものとして広く用いられるようになった(図)。アワビの殻や臓物をとり去って,肉を長い条(すじ)状に小刀で薄くはぎ,水洗いして乾かし,生乾きのときにおもしをつけて引き伸ばしたまま乾して製品としたもの。のしを〈熨斗〉と記すのは,火熨斗(ひのし)の文字の流用で当て字であるが,伸ばしたまま干して作ることから,〈のし〉と称するようになったのではないかといわれている。…

※「熨斗鮑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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