熱帯黒色土(読み)ねったいこくしょくど(英語表記)tropical black soil

日本大百科全書(ニッポニカ)「熱帯黒色土」の解説

熱帯黒色土
ねったいこくしょくど
tropical black soil

熱帯地方を中心に、ときに亜熱帯、温帯あたりまで分布する黒色土壌。この土壌名は、世界の主要な土壌分類システムには採用されていない。これに近いものとして、インドのレグール土を含めたグルムソルgrumusolがあげられる。熱帯の高温気候のもとでは一般に、土壌に供給された植物遺体の分解が速く、土層を黒くする条件に乏しいのであるが、玄武岩の風化物からなる土壌や火山灰起源の土壌は黒色の表土をもつものが多く、熱帯地方の火山性地域には実際、黒色の土壌が分布している。インドのデカン高原は前者の例であり、インドネシアの火山地帯は後者の場合である。このように熱帯地方にみられる黒色ないし暗色の土壌が便宜的に熱帯黒色土と総称されている。

 これらの土壌は、熱帯多雨地域でラテライト化作用により植物養分の脱した不沃(ふよく)の土壌の多いなかで、比較的肥沃であるので耕作に適し、畑作や水田耕作に利用されている。

[浅海重夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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