燗鍋(読み)カンナベ

デジタル大辞泉 「燗鍋」の意味・読み・例文・類語

かん‐なべ【×燗鍋】

酒を温めるための鍋。多く銅製で、つるやつぎ口がついている。

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精選版 日本国語大辞典 「燗鍋」の意味・読み・例文・類語

かん‐なべ【燗鍋】

  1. 〘 名詞 〙 酒の燗をするのに用いる鍋。多くは銅製で、つぎ口、ふたがあり、つるがついている。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「盃・燗鍋(カンナヘ)吸物椀まで瞿麦(なでしこ)のちらし紋」(出典浮世草子好色一代男(1682)七)

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食器・調理器具がわかる辞典 「燗鍋」の解説

かんなべ【燗鍋】

懐石に用いる酒つぎ。かつては酒を鉄製の燗鍋に入れ、直接火にかけて燗をしていたが、現在は別の容器で燗をした酒を燗鍋に移して用いる。陶器製のものもある。

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世界大百科事典(旧版)内の燗鍋の言及

【酒器】より

…燗徳利は湯に入れて間接的に酒を温めるもので,それをさらに簡便にしたのが注ぎ口と把手をつけた金属製の〈ちろり〉である。これに対して,銚子を簡略化した燗鍋は直接火にかける直燗の容器であった。また九州では焼酎を温めて飲むことが多く,鹿児島や沖縄では土瓶形をした〈ちょか〉,熊本県球磨地方では平たいフレスコ形に長い注ぎ口をつけたような〈がら〉と呼ぶ酒器があり,いずれも直接火にかけて用いている。…

【銚子】より

…〈さしなべ〉は,注口のある鍋に弦(つる)をつけたもので,湯をわかしたり酒をあたためるのに用いた。これから長柄をつけたものが分化したと思われるが,長柄の銚子が成立すると,弦をつけた〈さしなべ〉を提子(ひさげ)と呼び,江戸時代になると提子からの変化と見られる燗鍋(かんなべ)が出現する。この燗鍋で明かなように,〈さしなべ〉―提子の系統は,直接火にかけて酒をあたためるのが主要な用途であったのに対し,銚子はおもに冷酒用であり,火にかけて使うものではなかった。…

※「燗鍋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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