日本歴史地名大系 「牛ノ鼻窟」の解説 牛ノ鼻窟うしのはなくつ 和歌山県:田辺市西ノ谷村牛ノ鼻窟[現在地名]田辺市元町芳養(はや)町との境の海辺に突出した丘陵の先端にあった巨岩の岩穴。隣接の丘陵と合せて牛の鼻に似た岩であったが、国道四二号の整備工事による丘陵の消滅で奇観は失われ、先端部のみ残る。元禄年間(一六八八―一七〇四)の「紀南郷導記」に「牛ノ鼻ト云ヒテ岩窟」とあり、「続風土記」によると揚土門のようで、その高さ二間余、広さ五間許、縦径三間余とある。隣接の海浜は角貝の名産地として知られ、宝暦七年(一七五七)、天保一〇年(一八三九)には修験道本山派の聖護院門跡が、文化元年(一八〇四)には同当山派の三宝院門跡が、浜を遊歩し角貝を採取する儀式的な行事をした(万代記)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by