牛市(読み)ウシイチ

精選版 日本国語大辞典の解説

うし‐いち【牛市】

〘名〙 を交易、売買する市。近世では大坂天王寺のものがもっとも知られているが、畿内以西の地方で行なわれたものには、牛馬ともに出品される場合が多かった。
※虎明本狂言・牛博労(室町末‐近世初)「今日はやがて程ちかき所の、牛いちにて候間」

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世界大百科事典内の牛市の言及

【市】より

…この米場は,江戸期大坂の堂島米市場の先駆をなすものである。京都にも馬市があったが,戦国時代には,各地に,馬市,牛市が立てられた。美濃国大矢田市も,美濃紙特産地の市として,紙が取引の主要商品であり,その紙を買い付けて京都へ運ぶ専門の商人,近江湖東の枝村商人が存在したのである。…

【ウシ(牛)】より

… もと牛は野外に放飼いにされ,必要に応じてとらえて利用する習慣であったらしく,中世まではそれを社寺境内では禁ずる制札が見え,八丈島や松前,あるいは九州の離島など僻遠(へきえん)の地では近世までこれが残存した。近世に飼養が専業化するにつれて,畿内ではこの風が絶え,これに代わって中国地方その他にしだいに専業の牧畜地が形成され,それから上方方面へ農耕および運搬用の役牛が供給されるようになった結果,各地に牛市場が開設されて仲買人の活動が盛んになった。彼らは馬の場合と同じくバクロウと呼ばれ,多くは獣医を兼ねたようである。…

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