牧港(読み)まきみなと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「牧港」の意味・わかりやすい解説

牧港
まきみなと

沖縄本島西海岸の浦添市(うらそえし)にある地区。宜野湾(ぎのわん)市との境を流れる牧港川の河口付近の地名。方音マチナト。源為朝(ためとも)と別れた妻子が夫の帰るのを港で待ち続けたことから、まつみなと「待港(マチナト)」とよばれるようになったと伝えられる。14世紀ごろ、浦添が王都だった時代の貿易港で、日本本土の商船が多数出入りし、その過半は鉄を積んできた。王都が首里へ移ったため、泊(とまり)、那覇の2港が貿易港として重要度を増し、牧港の地位は低下した。火力発電所がある。

[堂前亮平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の牧港の言及

【浦添[市]】より

…人口9万6002(1995)。浦添は〈うらおそい〉(浦々を襲う),つまり諸国を支配する意味で,12世紀半ばから15世紀初めにかけて,首里に王府が移るまで王城の地として栄え,牧港川河口の牧港が琉球最大の貿易港であった。第2次世界大戦には,浦添城跡を中心に牧港と前田を結ぶ断層崖一帯は,沖縄戦最大の激戦地となり,その攻防は沖縄戦の天王山といわれた。…

※「牧港」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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