牧野成賢(読み)まきの・しげかた

朝日日本歴史人物事典 「牧野成賢」の解説

牧野成賢

没年:寛政4.4.25(1792.6.14)
生年正徳4(1714)
江戸中期の町奉行。宝暦11(1761)年12月公事方勘定奉行。明和1(1764)年閏12月の伝馬騒動の際には,騒動終了後その吟味に当たる。同5年5月江戸町奉行。安永9(1780)年10月には,無宿増大への対応策として,のちの人足寄場につながる無宿養育所を江戸深川に設置し,無宿に仕事を覚えさせる。天明1(1781)年8月の上州絹一揆,同3年9月の上州・信州世直し一揆,4年2月の武蔵国多摩郡での一揆の際,一揆勢捕縛のため同心を現地に派遣。同3月大目付に転じる。都市秩序の動揺が進行していた当時の江戸に対し,無宿養育所設置など,牧野が取った政策にはみるべきものが多い。<参考文献>南和男『江戸の社会構造

(安藤優一郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「牧野成賢」の解説

牧野成賢 まきの-しげかた

1714-1792 江戸時代中期の武士
正徳(しょうとく)4年生まれ。幕臣。明和5年勘定奉行から江戸町奉行となる。安永9年無宿養育所を江戸深川に設置して無宿者への授産につとめ,その更生をはかった。天明4年大目付にすすむ。寛政4年4月25日死去。79歳。通称は大九郎,靱負(ゆきえ),織部

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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