物盛んなれば則ち衰う(読み)ものさかんなればすなわちおとろう

故事成語を知る辞典 「物盛んなれば則ち衰う」の解説

物盛んなれば則ち衰う

勢いがいい状態は、長続きはしないということ。

[使用例] 物さかんなれば必ず衰うるは天命なれば、余り明治大正の間に偉い歌よみが出過ぎた為にそれの人人のもうろくしたり死んでしまったりした後の短歌は月並みになってしまうかも知れぬ[芥川龍之介*又一説?|1926]

[由来] 中国で古くから使われている言い回しから。たとえば、「戦国策しん策」には、次のような話があります。紀元前三世紀、戦国時代の中国、秦という国でのこと。さいたくという人物は、自分が大臣になりたいと考え、時の大臣に向かってこんなことを言いました。「太陽は南中した後は沈んでいく一方ですし、月は満月になった後は欠けていくだけです。『物盛んなれば則ち衰う(ものごとは、勢いがよくなると、あとは衰えていくものなのです)』」。これは、勢いが盛んなうちに引退するのがいい、というほのめかし。蔡沢のこの忠告を受け入れた大臣は、やがて辞任。蔡沢は、まんまと後釜に座ることに成功したのでした。

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