特別市制(読み)とくべつしせい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「特別市制」の意味・わかりやすい解説

特別市制
とくべつしせい

地方制度,特に都市制度の一つ。特別の大都市を府県管轄からはずし,しかも通常の「市」以上の機能,すなわち府県並みの権能を付与することによって,広範囲な自治を許された市の制度である。イギリスでは 1888年初めて人口5万以上の都市を特別市 county boroughとしてそれに県並みの権能を付与した。日本でも第2次世界大戦前から議論があったが実現されず,戦後になって初めて地方自治法は人口 50万以上で法律によって指定された大都市を特別市にしうる諸規定を盛込んだ。しかし五大都市が特別市になると予想されたため,この関係市と府県とが激しく対立し,結局 1956年の地方自治法改正で第3編第1章にあった特別市の諸規定が全部削除された。現在大都市に関する特例として政令指定都市観念が地方自治法にあるが,これは特別市制とは異なる観念である。

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世界大百科事典(旧版)内の特別市制の言及

【政令指定都市】より

… 地方自治法は大都市行政の効率化と市民の利便の向上のために,政令で指定する人口50万人以上の市について行財政上の特例を設けている。同法は当初,大都市制度として府県なみの権限をもつ〈特別市制〉を規定していたが,施行をめぐって大都市と府県の抗争が展開され実現しなかった(特別市)。政府は1956年,法改正し特別市制に代えて政令指定都市制度を導入した。…

※「特別市制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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