特発性巣状糸球体硬化症の診断基準(読み)とくはつせいそうじょうしきゅうたいこうかしょうのしんだんきじゅん

家庭医学館 の解説

とくはつせいそうじょうしきゅうたいこうかしょうのしんだんきじゅん【特発性巣状糸球体硬化症の診断基準】

①組織的所見
 a.光学顕微鏡所見:いくつかの糸球体で、それぞれの一部分にだけ硬化がみられる。硬化部分はしばしばボーマン嚢と癒着し、硝子様沈着物、空胞変性、泡沫細胞などをともなう。糸球体の非硬化部分には特別に異なる所見はないが、糸球体が腫れて大きくなっていたり、メサンギウム細胞上皮細胞がやや増加していることがよくある。糸球体硬化は、髄質のそばから広がる傾向がある。尿細管萎縮や間質の増加が部分的に目だつ。
 b.免疫組織学的所見:糸球体の硬化部分に、免疫グロブリンIgMや、C3などの補体成分の沈着がみられる。
 c.電子顕微鏡所見:光学顕微鏡所見と同じだが、基底膜からはがれるなど上皮細胞の著しい異常がみられることもある。
②尿所見
 通常、多量のたんぱく尿(たんぱくの種類はいろいろ)があり、血尿がみられることも少なくない。
③臨床所見
 発症の状況はさまざまだが、通常ステロイド薬になかなか反応しないネフローゼ症候群を示す。
④その他
 高血圧や著しい高脂血症がしばしばみられる。
資料/第38回日本腎臓学会学術総会記念:腎臓病学の診断アプローチを一部改変)

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