犂(漢字)

普及版 字通 「犂(漢字)」の読み・字形・画数・意味


12画

(異体字)
19画

[字音] リ・レイ
[字訓] すき・からすき・すく・まだら

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(り)。〔説文〕二上に正字をに作り、「すなり」と訓し、黎(れい)声とするが、はからすきの形に従う字で、それに牛を加えた形とみてよい。(耕)字条四下に「犂(すき)なり」とあって互訓孔門耕(ぜんこう)、字は伯牛、また司馬耕は一名犂、みな牛耕によってその名字をえている。〔戦国策、趙一〕に「秦は牛を以て田し、水もて糧をず」とあり、それがその富強を致す道であった。字は黎と通用する。

[訓義]
1. すき、からすき、牛耕に用いる。
2. すく、たがやす。
3. まだら牛、まだら。
4. くろい、(ろ)・驪(り)・黎と声義が通じる。
5. 黎と声義が通じ、黎明

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕犂 加良須牛(からすきうし)〔和名抄〕犂 加良須(からすき)〔名義抄〕犂 カラスキ・スク・ウシクハ・コロホヒ/犂牛 マダラナルウシ・タカヘスウシ 〔立〕犂 ナラブ・ヒク・ムスブ・カラスキ・スク・ヲロス・アフル

[語系]
犂・黎・lyeiは同声。梨lieiも声が近い。犂は牛耕。黎・(れい)と同声通用し、黒の意に用いる。黎民黔首(けんしゆ)とは、農民をいう。〔釈名、釈長幼〕に「九十を或いは凍梨と曰ふ。皮に斑點ること、凍梨の色の如きなり」とみえる。驪lie、驢lia、laもみな色の黒いものをいう語である。

[熟語]
犂轅・犂牛犂耕犂黒犂耳犂春犂鋤・犂然犂頭犂平犂面犂老・犂犂元犂旦犂民犂明
[下接語]
架犂・牛犂・犂・耕犂・車犂・鋤犂・徹犂・踏犂・輓犂

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報