普及版 字通 「狎」の読み・字形・画数・意味


8画

[字音] コウ(カフ
[字訓] なれる・あなどる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は甲(こう)。〔説文〕十上に「犬は(なら)すべきなり」と、犬の飼養しやすいことをいう字とする。〔詩、衛風、蘭〕「能(すなは)ち我に甲(な)れず」のように、甲のままで用いることがある。狎るの意に用いる弄・玩・(習)はみな呪器に関する字であるが、「狎る」が甲に従う理由は明らかでない。

[訓義]
1. なれる、したしむ、近づく。
2. あなどる、かろんずる。
3. たわむれる、もてあそぶ。
4. 更と通じ、かわるがわる。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕狎 奈豆久(なつく)〔名義抄〕狎 ナル・ナレタリ・カハルカハル・アナヅル・チカヅク・ナツク・ヤスシ 〔字鏡集〕狎 ナツク・チカシ・ナラフ・ナレタリ・アナヅル・カハルカハル・カハル・ヤスシ・ナル・ニナフ・チカヅク

[語系]
狎・・匣heapは同声。篋khyapも声の近い字であるから、狎はあるいはと声義の関係があるかもしれない。それならば飼い慣れる意である。

[熟語]
狎愛狎飲狎玩・狎狎妓・狎客・狎近・狎語狎恰狎坐狎至・狎視・狎狎邪狎従・狎獣・狎処・狎書・狎・狎息狎俗・狎敵狎徒・狎比狎侮狎密・狎遊狎猟・狎狎弄
[下接語]
愛狎・狎・恩狎・串狎・款狎・慣狎・歓狎・戯狎・驕狎・近狎・欣狎・好狎・傲狎・昵狎・親狎・接狎・狎・狎・慢狎・遊狎

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android