狐手(読み)きつねで

精選版 日本国語大辞典 「狐手」の意味・読み・例文・類語

きつね‐で【狐手】

〘名〙 文楽人形につける特殊な手の一つで、狐の手を象徴したもの。「めんけつ」ともいい、指先がわらびのように丸く曲がっており、小指が他の指より高くなっている。狐が人間の姿をした役、「義経千本桜」の忠信、「蘆屋道満大内鑑」の葛の葉、「釣狐」などに用いる。歌舞伎では指先の爪を揃え、手甲をそらし気味に折りまげた形をする。

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