忠信(読み)チュウシン

世界大百科事典 第2版の解説

ただのぶ【忠信】

日本の芸能,音楽の作品名,またその通称。義経の家来の佐藤忠信を中心に作られている。(1)能 四番目物。現在物。作者不明。シテは佐藤信。兄の源頼朝に都を追われた義経(ツレ)は,吉野の衆徒(しゆと)を頼って山中に身を潜めていたが,衆徒変心の報告を伊勢三郎(ワキ)から受け,佐藤忠信に防ぎ矢を命じて山を落ちのびる。やがて衆徒たち(ツレ)が押し寄せて来るが,忠信の防ぎ矢のために近づけない。機を見て忠信は切腹したと見せかけ,谷底づたいに逃れ,なお迫る追手を斬り散らして義経の後を追う(〈中ノリ地・ノリ地〉)。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

ちゅうしん【忠信】

真心を尽くし、偽りのないこと。忠と信。 「人能よく-ならば亦また善からずや/明六雑誌 12

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

ちゅう‐しん【忠信】

〘名〙 忠と信。忠実と信義。まごころを尽くし、うそ偽りのないこと。
霊異記(810‐824)上「天皇勅して留むること、七日七夜、彼の忠信を詠ひ」 〔易経‐乾卦・文言〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の忠信の言及

【義経千本桜】より

…しかし,構想の中心は義経にはなく,〈親兄の礼を重んずる者が平家の首の内,新中納言知盛,三位中将惟(維)盛,能登守教経,此三人の首は贋者。なぜ偽つて渡したぞ〉(初段)という川越太郎の言葉に示唆されているとおり,焦点は滅びゆく平家の3人の武将の運命に合わされており,それに,いがみの権太と狐忠信の挿話が絡む。なお,初演の際,狐忠信の人形に耳の動く仕掛けが考案され,また,その衣装の模様には,四段目の狐場を語った2世竹本政太夫の源氏車の紋が利用されたと伝えられている(《浄瑠璃譜》)。…

※「忠信」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

ビル風

高層建築物の周辺でみられる、建物による風の乱れをいう。風向の変化のほかに風速の強弱によって表される。一般には、高層ビルの周辺で吹く強い風をさすことが多い。 風の強くなる場合として次の三つがある。(1)...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

忠信の関連情報