狗張子(読み)イヌハリコ

デジタル大辞泉 「狗張子」の意味・読み・例文・類語

いぬはりこ【狗張子】

仮名草子。7巻。浅井了意著。元禄5年(1692)刊。中国小説続玄怪録」「博異志」などを題材にした怪奇説話など45編を収録。「御伽婢子おとぎぼうこ」の続編

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精選版 日本国語大辞典 「狗張子」の意味・読み・例文・類語

いぬはりこ【狗張子】

  1. 江戸前期の仮名草子。七巻。浅井了意作。作者没後の元祿五年(一六九二)刊。中国唐代の短篇怪異小説を翻案したもの、本朝の先行作品を素材にしたものなど四五編の怪奇説話から成る。「御伽牌子(おとぎぼうこ)」の続編として書かれたという。

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世界大百科事典(旧版)内の狗張子の言及

【御伽婢子】より

…その翻案態度は,時代,人名,地名,風俗などをすべて日本に移し,文章も流麗で,少しも翻訳臭さが残っていない。続編の《狗張子(いぬはりこ)》とともに,了意の名を不朽ならしめた本書は怪異小説の嚆矢(こうし)で,近世怪異小説の一時期を画したもので,後世への影響は非常に大きい。三遊亭円朝の人情噺《怪異談牡丹灯籠》の原話がすでにここに見られる。…

※「狗張子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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