狛坂磨崖仏(読み)こまさかまがいぶつ

国指定史跡ガイドの解説

こまさかまがいぶつ【狛坂磨崖仏】

滋賀県栗東(りっとう)市荒張地先にある石仏。大津市との境界に近い金勝山(こんぜやま)ハイキングコースに位置し、奈良時代に大きな花崗岩の磨崖面に三尊仏が刻まれた磨崖仏。高さ約6m、幅3.6mの壁面に、高さ3m、顔幅70cmの阿弥陀如来坐像を中尊として観音菩薩と勢至(せいし)菩薩の両脇侍を刻み、その周囲に12体の仏像が半肉彫りされている。脇侍は左右に大きく張った髪を結び、顔や腰を中尊側にひねって統一的な三尊像を構成している。製作年代は不明だが、磨崖仏のすぐ下には816年(弘仁7)ごろ、金勝寺の奥の院として願安によって創建された狛坂寺の跡があることから、寺の全盛期である平安~鎌倉時代の作という説もある。1944年(昭和19)に国の史跡に指定された。中尊は大らかで下ぶくれの顔に大ぶりの眼鼻立ちで、写実的で両肩を張った作風は統一新羅(しらぎ)彫刻の影響を受けており、かつて大陸から渡ってきた金勝族がこの付近に住みついて、中国の大同(だいどう)にある雲崗(うんこう)の石窟寺院と同じ姿の石仏を伝えたのではないかともいわれている。JR東海道本線ほか草津駅から帝産湖南交通バス「上桐生」下車、徒歩約2時間。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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