勢至(読み)セイシ

デジタル大辞泉 「勢至」の意味・読み・例文・類語

せい‐し【勢至】

勢至菩薩せいしぼさつ」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「勢至」の意味・読み・例文・類語

せい‐し【勢至】

往生要集(984‐985)大文二「観音・勢至威儀尊重、亦坐宝華、侍仏左右」

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改訂新版 世界大百科事典 「勢至」の意味・わかりやすい解説

勢至 (せいし)

阿弥陀如来の右脇侍(わきじ)として知られる菩薩の名。勢至菩薩ともいう。サンスクリットのmahāsthāma-prāptaの漢訳名である大勢至を略して勢至という。支謙訳の《大阿弥陀経》では摩訶那鉢(まかなはつ)と音訳されていた。左脇侍の観音が宝冠中に化仏を戴くのに対し,勢至の宝冠中には水瓶標識があるほかは,両者まったく同等として描かれる。《観無量寿経》の第十一観に,〈智慧の光をもって,普(あま)ねく一切を照らし,三塗を離れしむるに,無上の力をえたまえり。この故に,この菩薩を号して大勢至と名づく〉とあるように,勢至は智慧第一の菩薩とされたので,慈悲第一の菩薩たる観音ほどには盛行せず,独立して造像されることは少なかった。しかし,臨終のときに来迎して極楽世界に引導する菩薩として尊崇されたので,〈阿弥陀三尊〉や〈西方浄土変〉の右脇侍としてのほか,〈山越(やまごえ)阿弥陀図〉や〈二十五菩薩来迎図〉などに観音とともに合掌する姿で描かれた。
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