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磨崖仏 まがいぶつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

磨崖仏
まがいぶつ

岩壁に直接彫られた仏像インド中央アジア,中国では早くから造られており,朝鮮にもすぐれた遺例が多い。日本で紀年の明らかな最も早い例は,通常は宝亀9 (778) 年の宇智川 (奈良) の崖に『涅槃経』とともに彫られた観音像とされている。また平安時代後期頃に造られた大谷石仏群 (栃木) ,臼杵石仏 (大分) などの遺例には,浮彫の表面に漆喰を施し,さらに彩色を加えている。なお鎌倉時代以降は,概して規模が小さくなった。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

磨崖仏

自然の巨石岩壁に彫刻した仏像で石仏の一種。日本では、平安、鎌倉時代の作が多くみられる。奈良時代から造られていたとする説もあり、滋賀県の狛坂(こまさか)磨崖仏などはその一つと伝わるが、制作年ははっきりしていない。国宝の「臼杵磨崖仏」など指定文化財になっているものの多くは、大分県に集中している。

(2009-02-01 朝日新聞 朝刊 山口 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

まがい‐ぶつ【磨崖仏/摩崖仏】

自然の懸崖または大石に仏像を彫刻したもの。インド・中国に多く、日本では平安時代に製作された大分県臼杵(うすき)・栃木県大谷(おおや)のものが有名。→臼杵石仏大谷の石仏

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百科事典マイペディアの解説

磨崖仏【まがいぶつ】

摩崖仏とも記す。崖や岩の表面に刻出した仏像で,石仏の一種。線刻,浮彫の場合が多い。日本では京都府相楽郡笠置寺の弥勒仏(奈良時代),宇都宮市大谷の石仏群(平安時代),大分県臼杵磨崖仏群(同)など。
→関連項目大谷磨崖仏麦積山石窟飛来峰

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世界大百科事典 第2版の解説

まがいぶつ【磨崖仏】

露出した岩層面に彫刻(浮彫,線刻)された石仏。独立した石材に彫刻された石仏に対していい,また石窟をうがってその中に彫刻されたものを石窟仏と呼び,これと区別することがある。普通,表面に彩色を施す。インド,中国,朝鮮に古くから遺品があり,アフガニスタンバーミヤーンのものは有名である。日本では奈良時代以後の遺品が知られ,平安・鎌倉時代に各地で製作された。おもな遺品に奈良県宇智川観音像,栃木県大谷磨崖仏,大分県臼杵磨崖仏などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

磨崖仏
まがいぶつ

石仏の一種で、自然の懸崖(けんがい)や大石を彫刻し、仏像などを陰刻や浮彫りで表したもの。摩崖仏とも書く。その多くは石窟(せっくつ)寺院の形式でつくられ、洞窟を普通の寺院のように掘り抜いたり、差しかけの木造の建物をつくったりして、その奥に仏像をつくる。この形式はインドでは紀元前3世紀ごろからあり、アジャンタ石窟などが名高い。アフガニスタンのバーミアンにも巨像がつくられていた。なお、バーミアンの磨崖仏は2001年タリバン政権により破壊された。中国でも巨像はほとんど摩崖(磨崖)像である。4世紀なかばからつくられた敦煌(とんこう)千仏洞をはじめ麦積山(ばくせきざん)、雲崗(うんこう)、竜門など、おもに北魏(ほくぎ)から隋唐(ずいとう)代の石窟が知られている。日本では遺例の多くが平安後期につくられたが、地質的に新しいため良質の材が得られず、磨崖仏を含めて石仏が少ない。代表的な磨崖仏は大分県臼杵(うすき)石仏で、凝灰岩に高肉彫りで数十躯(く)の像をつくりあげている。また奈良の笠置(かさぎ)山には花崗(かこう)岩に線刻したものもあり、栃木県の大谷(おおや)磨崖仏の場合などは、ミソとよばれる軟質部のある大谷石に彫り付けてあり、なかにはほとんど全面を土で覆って、細部を塑造(そぞう)のように表現したものもある。[佐藤昭夫]
『水尾比呂志他著『日本の石仏』(1970・鹿島研究所出版会) ▽久野健著『日本の美術36 石仏』(1975・小学館) ▽西井稔著『磨崖仏たちの微笑み――磨崖仏の宝庫 大足の石窟(中国・四川省)を訪ねて』(2002・新生出版、ディーディーエヌ発売)』

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世界大百科事典内の磨崖仏の言及

【石仏】より

…石造の仏像。彫刻される石の形状から,移動できる独立した石材に彫られた石仏,露出した岩層面に彫られた磨崖仏,岩層に窟をうがってその中に彫られた石窟仏の3種に大別される。彫出の状態からは,線刻,薄肉彫(レリーフ),半肉彫,高肉彫(側面をほとんど彫出したもの),丸彫に分けられる。…

※「磨崖仏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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