猟矢(読み)サツヤ

デジタル大辞泉 「猟矢」の意味・読み・例文・類語

さつ‐や【猟矢/幸矢】

狩りに用いる矢。さちや。
「ますらをの―たばさみ立ち向かひ射る的形まとかたは見るにさやけし」〈・六一〉

しし‐や【猟矢/鹿矢】

狩猟用の矢。野矢のや。さつや。
「―を打ちつがひ、よっぴいて放つ」〈曽我・八〉

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精選版 日本国語大辞典 「猟矢」の意味・読み・例文・類語

さつ‐や【猟矢・幸矢】

  1. 〘 名詞 〙 狩猟に用いる矢。さちや。
    1. [初出の実例]「天地の神を祈りて佐都夜(サツヤ)(ぬ)筑紫の島をさして行(い)くわれは」(出典万葉集(8C後)二〇・四三七四)

猟矢の補助注記

( 1 )「さち」の母音交替形「さつ」に「矢」がついたもの。
( 2 )語源を、矢を意味する古代朝鮮語(sal)に求める(あるいはこれに霊威を表わす「ち」が付いたものとする)説がある。ただし「さつ矢」の他、「さつ弓」という語もあり、「さつ(ないし「さ」)」がただちに「矢」を意味する語であったとするには疑問が残る。


しし‐や【猟矢・鹿矢】

  1. 〘 名詞 〙 狩猟用の矢。野矢(のや)。さつや。
    1. [初出の実例]「猟箭(シシヤ)(お)へる雀鳥(すすめ)の如し」(出典:日本書紀(720)敏達一四年八月(前田本訓))

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