古代九州の総称。また《古事記》が九州を筑紫,豊(とよ),肥(ひ),熊曾(襲)(くまそ)の4国に分けたように,後の筑前国,筑後国(現,福岡県)を中心とする北九州を指す場合もある。大陸への門戸に位置し,古くから開けていた。内外の史書などでは竹斯,竺志などとも記されているので,〈ちくし〉とよんだとも言われるが,《万葉集》では都久志(之)と記されている。その名の由来は明らかでなく,《釈日本紀》は先儒の説として4説を紹介しているが,いずれも付会のきらいを免れない。福岡県筑紫野市原田(はるだ)には延喜式内社の筑紫神社が鎮座し,隣接して大字筑紫が見られるように,もともと筑紫はこの付近の地名であったが,後には北九州一帯に拡大され,さらに北九州が九州支配の中心地となったことから九州全体をも指すようになったのであろう。律令制の成立とともに筑紫国は前後に分割され,やがて筑前,筑後両国となったが,筑紫は九州,西海道の俗称として残った。
執筆者:倉住 靖彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…古代九州の総称。また《古事記》が九州を筑紫,豊(とよ),肥(ひ),熊曾(襲)(くまそ)の4国に分けたように,後の筑前国,筑後国(現,福岡県)を中心とする北九州を指す場合もある。大陸への門戸に位置し,古くから開けていた。…
※「筑紫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新