猪之頭(読み)いのかしら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「猪之頭」の意味・わかりやすい解説

猪之頭
いのかしら

静岡県富士宮市(ふじのみやし)北方の一地区。富士山西麓(せいろく)に位置し、富士山麓の代表的湧水(ゆうすい)池を形成している。透水性の大きい新富士溶岩と、透水性の悪い集塊岩質古富士泥流層との間を地下水が流下するが、その境界が露出して湧水群を形成した。年間10℃前後の豊富な湧水は、ワサビ栽培や魚の養殖に利用され、1936年(昭和11)県立養鱒(ようそん)場(現、水産技術研究所富士養鱒場)ができ、ニジマスの養殖を行っている。湧水は芝川(しばかわ)の水源となっている。猪之頭公園、県の畜産試験場などがある。国道139号(富士宮道路)が走り、富士宮駅からバス1時間。

[北川光雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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