芝川(読み)しばかわ

日本歴史地名大系 「芝川」の解説

芝川
しばかわ

荒川の支流の一。桶川市倉田の明星くらたのみようじよう院南西の谷頭を水源とし、上尾市・大宮市・浦和市の東部を南下、途中、加田屋かたや落し排水路・藤右衛門とうえもん(天王川)たて川などを合せ、川口市領家りようけ地先で荒川に合流する。流路延長約三四キロ。

古芝川が大宮台地を浸食した谷がその後の海退により沖積層で埋められ、その湿地帯には見沼をはじめ入江いりえ(現大宮市)など多くの沼があった。寛永六年(一六二九)関東郡代伊奈忠治はこの沼沢地のうち最も狭い木曾呂きぞろ(現川口市)付島つきしま(現浦和市)間に八丁はつちよう堤を築き、見沼溜井を造成。さらに享保一二年(一七二七)以降、幕府の勘定吟味役格井沢弥惣兵衛により溜井が干拓され一千二〇〇町歩余の水田が開発された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「芝川」の意味・わかりやすい解説

芝川
しばかわ

静岡県北東部、富士郡にあった旧町名(芝川町(ちょう))。現在は富士宮(ふじのみや)市の南西部を占める地域。1957年(昭和32)富原、柚野(ゆの)の2村が合併して町制施行。2010年(平成22)富士宮市に編入富士川が旧町域のほぼ中央を峡谷をなして横断し、左岸沿いにJR身延(みのぶ)線が通じる。また、北部を国道469号が横断する。芝川駅周辺がこの地区の中心部をなす。山地が80%を占め、集落耕地は、富士川に合流する芝川、稲瀬川の河谷に集中。米麦を主に茶栽培、養豚を行う。タケノコは特産。パルプ・紙加工、木材工場がある。西山本門寺日蓮(にちれん)ゆかりの法華経(ほけきょう)、法華証明鈔(しょうみょうしょう)(国指定重要文化財)などを所蔵。北西部には稲子川温泉があり、1990年(平成2)その北側に新稲子川温泉が湧出(ゆうしゅつ)した。

[川崎文昭]

『『芝川町誌』全2巻(1973、1985・芝川町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「芝川」の意味・わかりやすい解説

芝川
しばかわ

静岡県中部,富士宮市西部の旧町域。富士川沿いに位置し,西は山梨県に接する。1957年富原村と柚野村が合体して町制。2010年富士宮市に編入。農業が中心で,米作のほか野菜,チャ(茶)などの栽培と畜産が行なわれる。駿河半紙の特産地。古刹の西山本門寺は紺紙金字法華経をはじめとする国指定重要文化財の寺宝を所蔵。

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改訂新版 世界大百科事典 「芝川」の意味・わかりやすい解説

芝川 (しばかわ)

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