猪野省三(読み)いの しょうぞう

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「猪野省三」の解説

猪野省三 いの-しょうぞう

1905-1985 昭和時代の児童文学者。
明治38年7月20日生まれ。昭和3年プロレタリア童話の先がけとされる「ドンドンやき」を発表。「少年戦旗」「プロレタリア文学」の編集責任者をつとめ,戦後は児童文学者協会の創立に参加した。昭和60年1月8日死去。79歳。栃木県出身。宇都宮中学卒。著作に「希望の百円さつ」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の猪野省三の言及

【児童文学】より

…千葉省三は《虎ちゃんの日記》(1925)をはじめとする一連の作品で,酒井朝彦は〈木曾もの〉と呼ばれる作品で,郷愁と結びついたリリシズムを描き,また坪田譲治は〈善太・三平もの〉でリアルな児童像を造形して,それぞれにこの時期を代表している。 小川未明や秋田雨雀をさきがけとして社会性のある主題は児童文学のものになってきたが,それを決定的なものにしたのは昭和初年のプロレタリア児童文学運動で,槙本楠郎,猪野省三,川崎大治たちが活躍した。マルクス主義陣営からの批判は,未明童話をもふくめて童心主義の非社会性と超階級性に徹底的に向けられた。…

【少年戦旗】より

…1920年代後半からの日本の労農少年団(ピオネール)運動のなかで,子どもを〈プロレタリア意識〉で教化し,組織していくために発刊された。29年2月日本プロレタリア作家同盟創立総会での猪野省三の提案が直接の契機となり,同年5月,全日本無産者芸術連盟と作家同盟の共同機関誌《戦旗》の付録のかたちで創刊号が出された。内容は,プロレタリア童話・童謡のほか,科学読物,時事物,子どもの投書などもみられる。…

※「猪野省三」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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