改訂新版 世界大百科事典 「少年戦旗」の意味・わかりやすい解説
少年戦旗 (しょうねんせんき)
少年少女むきの読物雑誌。1920年代後半からの日本の労農少年団(ピオネール)運動のなかで,子どもを〈プロレタリア意識〉で教化し,組織していくために発刊された。29年2月日本プロレタリア作家同盟創立総会での猪野省三の提案が直接の契機となり,同年5月,全日本無産者芸術連盟と作家同盟の共同機関誌《戦旗》の付録のかたちで創刊号が出された。内容は,プロレタリア童話・童謡のほか,科学読物,時事物,子どもの投書などもみられる。創刊時1万2000部。編集責任者は猪野。同年10月,独立雑誌(36ページ)となり,定価20銭。2000~4000部を出す。30年6月号から新聞型《ショーネン・センキ》(8ページ,5銭,編集発行人山田清三郎)となり,4号で休刊。31年6月新聞型《少年戦旗》で復刊,同12月を最後に通算20冊(うち少なくとも12号が発禁)を出して《戦旗》とともに廃刊。
執筆者:中内 敏夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報