猿返(読み)さるがえり

精選版 日本国語大辞典 「猿返」の意味・読み・例文・類語

さる‐がえり ‥がへり【猿返】

〘名〙
雑芸の一つ。身軽に前後左右にとび返る芸。
※俳諧・犬子集(1633)一「申かへり見てや立来るとりの年〈真利〉」
歌舞伎の立回り芸の一つ。両足を頭の方へ曲げて、「の」の字型に宙返りして立つこと。
※歌舞伎・お染久松色読販(1813)大切「両人とも佐次郎兵衛を突退け行に懸り、縄に引付(ひきつけら)れて猿返りをする」
言動が軽はずみな人をののしっていう語。

さるっ‐かえり ‥かへり【猿返】

〘名〙 かるがるしくて重みのない人やうわついた人を、ののしったり、あざけったりするときに用いる語。はねっかえり。猿がえり。
滑稽本・早変胸機関(1810)「まだごたくをつきゃアがるか。猿っけへりめ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android