玉湯町(読み)たまゆちよう

日本歴史地名大系 「玉湯町」の解説

玉湯町
たまゆちよう

面積:二四・六二平方キロ(境界未定)

八束郡の南西部、宍道湖の南岸に位置する。東は松江市、西は宍道町、南は大原郡大東だいとう町。町の中央を玉湯川が北流し、宍道湖に注ぐ。平坦部は少なく、川沿いや宍道湖に注ぐ河口にわずかな可耕地が広がる。湖岸に沿って国道九号とJR山陰本線が並行して走る。県道玉湯―吾妻山あづまやま線が国道九号から分岐し、玉湯川沿いに南進して奥出雲に至る。玉湯川の両岸に湧出する玉造たまつくり温泉を中心に発展し、奈良時代にはすでに老若男女で賑わっていた(出雲国風土記)。現在も三十数軒の温泉旅館が立並び、山陰有数の温泉地として毎年八〇万人を超える入湯客が訪れる。町特産で江戸時代に始まった布志名焼や瑪瑙細工が土産物として珍重されている。弥生時代末期に始まった玉作りは古墳時代に最盛期を迎え、平安時代まで行われた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報