氾濫原(読み)ハンランゲン(その他表記)flood plain

翻訳|flood plain

デジタル大辞泉 「氾濫原」の意味・読み・例文・類語

はんらん‐げん【氾濫原】

河川氾濫河道移動によってできた平野。河川の堆積たいせき物によって構成され、洪水時には浸水する。

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精選版 日本国語大辞典 「氾濫原」の意味・読み・例文・類語

はんらん‐げん【氾濫原】

  1. 〘 名詞 〙 洪水などによって河川が氾濫し、運ばれてきた土・砂・小石などが堆積して生じたほぼ平坦な土地。氾濫平野。

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改訂新版 世界大百科事典 「氾濫原」の意味・わかりやすい解説

氾濫原 (はんらんげん)
flood plain

河川のはんらんによって運ばれた未固結の堆積物によって構成されている低地広義には,扇状地,三角州,谷底平野など河成の沖積平野のすべてを指すが,狭義には,蛇行河川の側方移動に伴う谷壁の浸食と河川運搬物質の堆積によって形成された谷底平坦面を指す。蛇行河川では湾曲部の外側において流速が速く,内側において流速が遅いため,外側において浸食作用が,内側において堆積作用が卓越する。その結果,河道は次第に側方に移動して谷壁を刻み,谷幅を広げると共に,谷底には砂やシルトなどのはんらん原堆積物が堆積してはんらん原が形成される。

 はんらん原上には,蛇行切断によって形成された三日月湖,はんらんによって形成された河岸の微高地である自然堤防,自然堤防と谷壁との間に形成された後背湿地などのほか,蛇行河道の凸岸側に発達する蛇行州(ポイントバー)やはんらん原堤またはメアンダースクロール,はんらん原堤とはんらん原堤とにはさまれたはんらん原濠などの地形が認められる。このような地形が良好に発達するはんらん原は各地にみられるが,特に,ミシシッピ川やミズーリ川などの例が代表的である。日本では石狩川下流部や天塩川下流部などに顕著に発達している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「氾濫原」の意味・わかりやすい解説

氾濫原
はんらんげん

洪水時に河水が常水路からあふれて氾濫する範囲の平野。沖積平野の一種洪涵平野(こうかんへいや)ともいう。川の蛇行に伴う側方移動によって谷壁が後退し、浸水の範囲を広げる。氾濫原をつくる堆積(たいせき)物は川の運んできた未固結の物質からなり、とくに蛇行州の発達によって側方への堆積が促進される。洪水時に上流側から運ばれてきた物質の堆積は側方への堆積に比べて少ないが、自然堤防や後背湿地などの形成には大きな役割を果たす。水文(すいもん)学的には周期的に洪水によって浸水する範囲をさし、再現期間10年の洪水によって浸水する範囲がほぼ地形的な氾濫原の範囲と一致する。年最大流量によって浸水する範囲を活氾濫原とよぶこともある。

[髙山茂美]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「氾濫原」の意味・わかりやすい解説

氾濫原
はんらんげん
floodplain

河川の堆積作用で生じた平地で,洪水時に冠水する部分。河川の側方浸食によって谷幅が広がり,谷礫が堆積して形成される。ミシシッピ川下流のように幅 100km以上に及ぶこともある。

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百科事典マイペディア 「氾濫原」の意味・わかりやすい解説

はんらん(氾濫)原【はんらんげん】

河川の両岸に発達する平地で,洪水時に河水があふれ出して表面がおおわれるところ。河川の側方浸食および堆積作用によって形成される。

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