玉鉾(読み)タマボコ

デジタル大辞泉 「玉鉾」の意味・読み・例文・類語

たま‐ぼこ【玉×鉾/玉×桙/玉矛】

《「たまほこ」とも》
玉で飾ったほこ。また、ほこの美称
枕詞「たまぼこの」のかかり方から》道。
「この程はしるもしらぬも―の行きかふ袖は花の香ぞする」〈新古今・春下〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「玉鉾」の意味・読み・例文・類語

たま‐ぼこ【玉鉾・玉桙】

  1. 〘 名詞 〙 ( 上代は「たまほこ」か )
  2. [ 一 ] 玉で飾った鉾。また、「たま」は美称で、立派な鉾。
    1. [初出の実例]「秦の代に有し玉鉾も、龍女の持たりし鉾也」(出典:樋口本謡曲・玉鉾(室町末))
  3. [ 二 ] ( 枕詞「たまぼこの」から転じたもの )
    1. 道。または道中。
      1. [初出の実例]「くやしくも奈良ぞとだにも言ひてけるたまほこにだに来てもとはねば」(出典:大和物語(947‐957頃)二条家本附載)
    2. 足。または歩み。
      1. [初出の実例]「急ぐとすれど、とけしなき牛のたまぼこ遅くとも」(出典:浄瑠璃・蝉丸(1693頃)道行)

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